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紫綬褒章に作家・小川洋子さん「声なき声に耳傾け」 - 産経ニュース

紫綬褒章に決まった作家の小川洋子さん。「これからも変わらず、声なき声に耳を傾け書き続けていきたい」と話した=兵庫県西宮市(南雲都撮影)
紫綬褒章に決まった作家の小川洋子さん。「これからも変わらず、声なき声に耳を傾け書き続けていきたい」と話した=兵庫県西宮市(南雲都撮影)

2日付で発表された令和3年秋の褒章受章者。ベストセラー「博士の愛した数式」などで知られ、海外でも評価が高い作家の小川洋子さん(59)が紫綬褒章に選ばれた。

原点はアンネの日記

小川さんは昭和63年、「揚羽蝶(あげはちょう)が壊れる時」でデビュー。平成3年に「妊娠カレンダー」で芥川賞を射止めた。透明感ある幻想的な小説は海外でも高い評価を受ける。「好きな小説をただ、書き続けてきた。ご褒美をくださり、大変ありがたい」と今回の紫綬褒章受章を喜んだ。

創作の原点は中学生時代に読んだ「アンネの日記」。隠れ家に暮らしたユダヤ系ドイツ人少女の日記に、言葉が自由を与えてくれることに気づかされた。自身も日記をつけ始め、小説を書くようになった。

紫綬褒章に選ばれた作家の小川洋子さん。創作の原点「アンネの日記」に出合い、言葉が自由を与えてくれることに気づかされた=兵庫県西宮市(南雲都撮影)
紫綬褒章に選ばれた作家の小川洋子さん。創作の原点「アンネの日記」に出合い、言葉が自由を与えてくれることに気づかされた=兵庫県西宮市(南雲都撮影)

「密(ひそ)やかな結晶」(6年)は「アンネの日記への私のオマージュ」と語る。その世界観は、日常が破壊された現在の新型コロナウイルス禍に重なると注目を集め、昨年、英ブッカー国際賞の候補になった。

記憶が80分しか持たない数学者の物語「博士の愛した数式」(15年)は転機になった作品だ。数学者を取材し、つむいだ作品は「世の中には、書かれるのを待っている物語があると気づかされた」と振り返る。作家生活33年。「これからも変わらず、声なき声に耳を傾け書き続けていきたい」と語った。(横山由紀子)

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