ファーストレグは引き分けでタイムアップ [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ (CL)・準決勝のファーストレグが9日に行われ、レアル・マドリード(スペイン)とマンチェスター・C(イングランド)が対戦した。
昨シーズンのCL・準決勝でも激闘を繰り広げた両者が、およそ1年の時を経て再び激突することとなった。昨季の大会覇者であるレアル・マドリードは、今季のCLではグループFを首位で通過。ラウンド16でリヴァプール(イングランド)を2戦合計6-2で、準々決勝ではチェルシー(イングランド)を2戦合計4-0で破ってここまで辿り着いた。今季の決勝トーナメントではすべてがイングランド勢との対決となっている。既にラ・リーガではタイトルが絶望的な状況となったが、6日に行われたコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)決勝戦ではオサスナを2-1で撃破し、9大会ぶり20度目の優勝を飾っていた。タイトルを勝ち獲った勢いに乗ってプレミアリーグ王者との一戦に臨む。
一方のマンチェスター・Cはラウンド16でライプツィヒ(ドイツ)を2戦合計8-1で、準々決勝ではバイエルン(ドイツ)を2戦合計4-1で破り、3シーズン連続の準決勝に到達した。昨季の準決勝ではファーストレグを4-3で制し、セカンドレグも90分まで2戦合計5-3とリードしていたが、試合終了間際にロドリゴに2ゴールを許した。延長戦ではカリム・ベンゼマにPKを決められ、土壇場で決勝戦進出を逃すことに。当時のリベンジを果たしたい今季の準決勝は、プレミアリーグでアーセナルから首位を奪還し、公式戦20戦無敗と絶好調の中で迎える。クラブ悲願のCLタイトル獲得に向けて、機は熟したと言えるだろう。
レアル・マドリードはコパ・デル・レイ決勝戦のオサスナ戦からスターティングメンバーを2名変更。アントニオ・リュディガーとルカ・モドリッチが先発に復帰し、ヴィニシウス・ジュニオールやベンゼマもスタメンに入った。一方のマンチェスター・Cは直近のプレミアリーグ第35節リーズ戦から6名を入れ替え。ターンオーバーを実施した同試合ではベンチスタートとなっていたルベン・ディアスやベルナルド・シルヴァが満を持してスタメンに入り、アーリング・ハーランドやケヴィン・デ・ブライネも先発に並んだ。
この試合最初のシュートはマンチェスター・Cが放った。8分、ペナルティエリア右でボールを引き出したB・シルヴァがマイナスへ折り返すと、待っていたデ・ブライネが右足で強烈なシュート。この一撃はGKティボー・クルトワが難なく弾き出す。13分にもジャック・グリーリッシュのマイナスへのパスからロドリがミドルシュートを放つも、再びGKクルトワが立ちはだかった。
その後もマンチェスター・Cが敵陣に押し込む展開が続く。15分にはデ・ブライネからのパスをペナルティエリア左で受けたハーランドが左足フィニッシュに持ち込むも、ここもGKクルトワがゴールを許さず。対するレアル・マドリードは自陣でしっかりとブロックを組んだ守備を構築し、さすがの組織力を見せる。25分には敵陣でのボール奪取から攻撃へ。左サイドでロドリからボールを奪ったヴィニシウスがグラウンダーのクロスボールを狙う。ファーサイドを狙っていたベンゼマに通れば1点と言える形だったが、ここはR・ディアスが素晴らしい読みで難を逃れた。
試合の均衡が破れたのは36分。レアル・マドリードはエドゥアルド・カマヴィンガがモドリッチとのワンツーで自陣左サイドを突破。スピードを上げてスペースへ持ち運び、横へ流すと、待っていたヴィニシウスが右足を振り抜く。ペナルティエリア手前から強烈な一撃を突き刺した。ファーストシュートを決めたレアル・マドリードがしたたかさを見せる形となり、ホームで先手を取っている。前半はこのままレアル・マドリードの1点リードで終了した。
後半に入ると打って変わって立ち上がりはレアル・マドリードがボールを握る形に。50分にはベンゼマ、ヴィニシウス、ダニエル・カルバハルとボールが繋がり、最後はベンゼマがペナルティエリア左から左足を振ったものの、ジョン・ストーンズのブロックに阻まれる。一方のマンチェスター・Cは55分、右サイド開いた位置でストーンズからのパスを引き出したB・シルヴァが裏のスペースへスルーパスを通すと、抜け出したデ・ブライネが右足で狙ったが、GKクルトワがビッグセーブを見せた。
その後はレアル・マドリードの攻撃の時間帯が続いたものの、なかなか追加点は挙げられない。すると67分、マンチェスター・Cが反撃へ。敵陣中央でカマヴィンガからのパスをインターセプトしたロドリが左へ繋ぐと、グリーリッシュが運んでイルカイ・ギュンドアンへ付ける。マイナスへの落としに反応したのはデ・ブライネ。地を這うようなミドルシュートがゴール左下に突き刺さり、マンチェスター・Cが試合を振り出しに戻した。
マンチェスター・Cは同点とした直後から再び主導権を握り返したが、78分にはレアル・マドリードがセットプレーでビッグチャンスを作り出す。ペナルティエリア左で得たフリーキックからトニ・クロースがクロスボールを送ると、ファーサイドでフリーになったベンゼマがヘディングシュート。ここはマンチェスター・Cの“守護神”GKエデルソンが弾き出し、ゴールを死守した。
その後はホームチームのレアル・マドリードが勝ち越しを狙って前に出る。90分にはベンゼマの落としから、途中出場のオーレリアン・チュアメニが右足を振り抜くも、またもGKエデルソンがファインセーブ。後半アディショナルタイムにも左サイドから悪くない攻めを見せたが、マンチェスター・C守備陣がゴールを許さなかった。
昨季の準決勝と同じく“死闘”となった一戦はこれ以上スコアが動かずにタイムアップの笛。レアル・マドリード、マンチェスター・Cと“優勝候補”同士が対戦したファーストレグは痛み分けで終了した。決着はマンチェスター・Cホームのセカンドレグに委ねられることに。運命の一戦はおよそ1週間後の17日に行われる。
【得点者】
1-0 36分 ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)
1-1 67分 ケヴィン・デ・ブライネ(マンチェスター・C)
【スターティングメンバー】
レアル・マドリード(4-3-3)
GK:クルトワ
DF:カルバハル、リュディガー、アラバ、カマヴィンガ
MF:クロース(84分 チュアメニ)、バルベルデ、モドリッチ(87分 ナチョ)
FW:ロドリゴ(81分 アセンシオ)、ベンゼマ、ヴィニシウス
マンチェスター・C(4-4-1-1)
GK:エデルソン
DF:ウォーカー、ストーンズ、R・ディアス、アカンジ
MF:ロドリ、ギュンドアン;B・シルヴァ、グリーリッシュ
FW:デ・ブライネ;ハーランド
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