6月を終えて負け越しが8と、中日の苦しい戦いが続いている。こんなときは、せめて将来のチーム像に思いをはせて、梅雨空を吹き飛ばしたい……。なんといっても中日には根尾昂がいる。石川昂弥がいる。そして高橋宏斗がいる。
この3人に共通するのは、ドラゴンズのお膝元(根尾が岐阜県、石川と高橋は愛知県)出身であること。その年代を代表する高校球界のスーパースターであり、根尾は大阪桐蔭、石川は東邦、高橋は中京大中京という超名門で腕を磨き、そろって全国レベルで活躍したこと。そしてドラゴンズジュニアからドラゴンズの1位指名を受け、入団したことである。
確実性もある根尾は3番タイプだろうか。長打力抜群の石川が4番を打ち、高橋はもちろんエースとして君臨する。こういった話は決して空想ではなく、根拠のある設計図である。現実になるはずだし、そうなってもらわないとドラゴンズの未来も大きく変わってしまう。
「守備も含めて戦力として一軍に置いています」
しかし、現時点では3人とも苦しみの沼にどっぷりと浸かっている。まずは根尾。3年目で初めての開幕スタメンを与えられた。「ショート一本で」と宣言していたが、出場はゼロ。ライト、レフトで起用されているのは、打力を期待されているからだ。ところがプロ1号本塁打を満塁で飾ったのは良かったが、2号はお預けのまま。138打数24安打、打率.174。6月は27日の広島戦(マツダスタジアム)で、森下暢仁から打った1安打だけで終わってしまった。その安打が出るまで、26打席連続無安打。さすがに先発機会も激減したが、与田剛監督の評価は変わっていない。
「今一軍に置いているということが(私の)評価。すべてを完璧にというふうには、簡単にはいきません。ちょっとずつ形になれば。守備も含めて戦力として一軍に置いています。欲を持ってはいるけど、少しずつ良くなればと思っています」
現状では劣勢での代打もしくは2番手以降の外野の守備固めという立ち位置だが、長期的な視野に基づき、一軍で育成するというプランを継続している。
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