<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人第14戦◇20日◇札幌市大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)
22年北京五輪ノーマルヒル金メダリストの小林陵侑(26=土屋ホーム)が今季初優勝を果たした。1回目135メートルで2位、2回目130メートルを飛んで合計271.5点で逆転で制した。3季ぶりの自国開催で通算28勝目、国内では初制覇を達成した。所属する土屋ホーム監督の葛西紀明(50)は、20年2月の札幌大会以来3季ぶりにW杯に参戦したが、予選51位で落選した。
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王者が表彰台の真ん中に戻ってきた。小林陵が地元で復活の大飛躍を見せた。1回目に首位まで3.9点差の2位につけて迎えた2回目。スタート前に待たされるも集中を切らさず、不利な追い風の中130メートルでひっくり返した。スムーズな飛び出しと安定した空中姿勢で距離を伸ばした。待ち構える同学年の中村直幹とハグをかわして喜んだ。「いいジャンプができてうれしかったです」と振り返った。
五輪金メダリストにとって「ここまで苦しんだ」という今季は、結果がなかなか出なかった。最高は昨年11月5日の開幕戦ビスワ大会の7位。表彰台からも遠のいた。第13戦を欠場して帰国し、約2週間の慣れ親しんだ地での準備で調子を上げた。「多分みんなも僕が勝って結構サプライズだと思う。自分としても驚いている」と喜んだ。新しい道具への対応にも苦戦していたが、この日は新調したスーツとの相性も良かった様子だ。
3季ぶりの自国開催。所属先は約50人の大応援団がバスを貸し切り応援に駆けつけ、後押しした。2度の個人総合優勝経験者にとって3位が最高だった国内でのW杯で、期待に応えた。21日第15戦へ「いいジャンプを」と、力まず臨むつもりだ。【保坂果那】
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