「身も心も100%に持っていけるかっていうのはちょっと難しい状態だった」
ソフトバンクの柳田悠岐外野手が19日、広島・呉市内で行なった自主トレを報道陣に公開し、3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの招集を辞退したことを明らかにした。東京五輪の金メダルメンバーでもあった柳田だが、この日「身も心も100%に持っていけるかっていうのはちょっと難しい状態だった」と告白。侍ジャパンの招集を辞退した理由についてこう明かしたのだった。
シーズンを優先させた、との声もあったが、それは違うだろう。超人と称された柳田だが、今年で35歳になる。近年は怪我と付き合いながら戦うシーズンが続いており、昨季も左肩やアキレス腱の痛みを抱えながらプレーを続けていた。シーズン終盤、何食わぬ顔でプレーをしていても、グラウンドから離れれば、歩くのもやっとというほど、体はボロボロ。満身創痍でクライマックスシリーズまでを戦い抜いた。
11月、12月と2か月ほどのオフがあっても、そう簡単に体は万全にならない。たとえ溜まった疲労、痛みが治まっていたとしても、そこから状態を上げて3月のWBC開幕までに万全に仕上げるのは至難の技だ。国の威信をかけて戦う国際舞台には、万全の状態で出られなければならない。自身の状態をそこに持っていくことが出来ないと感じたから、柳田は出場断念を決めたのだろう。
柳田は侍ジャパンの招集をこれまで喜んで受諾してきた。東京五輪でも金メダル獲得に貢献し、これまでも事あるごとにWBC出場に意欲を示していた。自主トレが公開された19日にも「もちろん出たかった」と語った。体が万全であれば、WBCもシーズンも駆け抜けられる手応えがあれば、招集を受け入れていたはずだ。
「そこ(WBC)に100%で持っていって、自分の体がそこから、というのはイメージしづらかった」とも柳田は語る。WBCに状態を100%に持っていくのは難しい。中途半端な状態で出場しては、侍ジャパン、栗山英樹監督にも迷惑がかかるというもの。仮に急ピッチに状態を上げて無理矢理に間に合わせたとしても、そうなればシーズンに大きな影響を及ぼしかねず、それも本末転倒というもの。出たくとも出られない、というのが柳田の思いだろう。
(Full-Count編集部)
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