<追い切りの番人>
2強? いや、G1・3勝馬の存在を忘れるな。ジャパンCの「追い切りの番人」では、オールカマー2着から巻き返しを狙うタイトルホルダー(牡5、栗田)を東京・阿部泰斉記者がチェック。天皇賞・春の競走中止から約7カ月、陣営の中間のテーマはあくまでも「慎重」。その中でも、前走以上の上積みが見込める調整過程を踏んできた。
◇ ◇ ◇
風格が戻りつつある。午前8時26分、美浦の角馬場に登場したタイトルホルダーは隊列の2番手を歩む。度々、頭を上下に振る姿に活気があふれている。それは動きも同じだった。2馬身先行したメジャークロニクル(古馬2勝クラス)を追いかけて、楽に併入。終始、横山和騎手は無理に追わなかった。それでも5ハロン65秒9-11秒4を計時した。
栗田師は動きに手応えをつかむ。「前半は前進気勢が強いかと思いましたが、騎手は『折り合いがついていた』と。しまいまでしっかり、無理せずあの時計だった。先週よりはかなり良くなっているのかなと」。真っすぐな目に偽りはない。そう言いきれるのは、順調な過程があるからだ。
大きく分けて、これまで2つの壁があった。
<1>春の影響 4月、1番人気に推された天皇賞・春はまさかの競走中止に。右前肢ハ行の診断で、戦線を離れた。
<2>オールカマーの調整 帰厩した8月下旬から復帰初戦にかけての美浦は残暑が厳しかった。連日のように30度を超える気温。前述の件があっただけに、強い負荷はかけられない。さらに、坂路改修工事の影響で、普段の坂路・ウッド併用の調整ができなかった。
前走の中間は全てウッドコースでの調教。併せ馬はなく、全て馬なりという内容だった。その中で、2着。横山和騎手は「正直ああいうことがあって、慎重に立ちあげてきた。すごくよく頑張ったな。という気持ちが大きいです」と脱帽。価値のある復帰戦だった。
一方、今回は復活要素が多い。坂路の改修工事が終了。この中間の日曜は4週続けてラスト1ハロン12秒2~13秒3の負荷をかけてきた。コースに入る前日やその後の軽めの調整も含め、豊富に登坂している。さらに、コースでの併せ馬も解禁。特に1週前追い切りでは、3歳冬の有馬記念以来となる“いっぱい”での調教を課した。その時の取材で、陣営から「慎重」という言葉を合わせて5度聞いた。騎手、調教師ともにその意識が強いのは間違いないが、その中でも調教の中身は着実に濃くなっている。
最終追い切り後、鞍上はこれまでの調整を振り返り、「正直、僕としてはもうひとつはじけてもいいのかな。というのが本音」と話した。しかしそれは、完璧を追い求めるが故の言葉。1度たたいた上積みは間違いなく見込める。2強に負けない存在感が、ある。【阿部泰斉】
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