ゴールラッシュの口火を切る2発に絡んだ。川崎フロンターレは大量5得点を挙げ、グループ首位で決勝トーナメント進出が確定。MF家長昭博は試合後の会見で「勝てば予選突破が決まる試合をホームでできて、5-0で勝てたということで、これ以上望むと罰が当たると思うのでよかった」と喜びを示した。
ボール保持の要として君臨した。前半8分には先制ゴール。DF大南拓磨が右サイドからクロスを上げると、ファーサイドに詰めたのは家長。フラッシュインタビューでは「ボールがこぼれてきたので、最後押し込むだけでした」と淡々と振り返った。
後半5分にはアシストも記録した。家長は右サイドから大きくクロス。PA内のFWレアンドロ・ダミアンが右足ボレーで合わせ、チーム2点目をマーク。「ダミアンはいつもあそこにいる。スペースが空いていたので、いつもやっている感じでやりました」。2得点を決めた川崎Fは勢いのままその後も3ゴール。5-0と快勝劇を完遂させた。
家長は今シーズンの公式戦で3点目となった。最後の得点は4月1日のJ1リーグ第6節・北海道コンサドーレ札幌戦。241日ぶりのゴールに対し、試合後のフラッシュインタビューで「シンプルに悔しいです」とポツリ。会見で発言の真意を問われると「そのまま受け取ってもらえれば。しばらくゴールがない選手がその期間のことを聞かれれば悔しい、というシンプルな表現です」。昨シーズンは12得点だったこともあり、数字へのこだわりを見せた。
鬼木達監督は「前線の選手であれば、ゴールやゴールに絡む仕事は重要」と“悔しい発言”への理解を示す。ただ、それ以上の貢献度も強調する。「今日のような自分たちで決めなきゃいけない大事なゲームでゴールを決めたり、ゴール以外でもゲームをコントロールするところでも、彼の存在は非常に大きい」。家長は4-0になるまでピッチに立ち続けたが、「しっかり最後ゲームを決め切るところまでは(いてほしい)存在感のある選手」と高く評価した。
12月9日には天皇杯決勝も控える。「残り数試合あるが、その(ゲームコントロールの)部分とゴールに絡むところは意識して、より高みを目指してほしい」(鬼木監督)。チームをけん引する37歳の背中に、指揮官も期待をのぞかせていた。
(取材・文 石川祐介)
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