野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和新監督(48)が若手による国際大会「アジアプロ野球チャンピオンシップ」(16~19日、東京ドーム)でトップチーム初采配を振る。U12(12歳以下)日本代表の監督として育成年代の指導にも深く関わってきた井端監督。その胸には、子どもたちから学んだ大切な思いが刻まれている。
10月4日の就任記者会見から1カ月がたとうとしていた頃、インタビューの機会を得た。「やっと、バタバタ(した日々)がちょっと落ち着いてきたところです」。リラックスした表情に、充実感がにじむ。
長嶋茂雄さん、王貞治さん、星野仙一さん、原辰徳さん、栗山英樹さん――。歴代代表監督にそうそうたる顔ぶれが並ぶ中で、小学生年代の代表チームを指揮してワールドカップ(W杯)に出たことがあるのは井端監督だけだ。今回、トップチーム監督就任にあたり、自ら15歳以下(U15)日本代表監督の兼務を強く希望した。
現役引退から8年。「穏やかになったな」と自らを分析するのは、2022、23年の2大会にわたり、U12日本代表を率いてW杯に出場した経験が大きいという。
1年目、大会前の練習に遅刻した選手がいた。当然、怒った。それが2年目になり、子どもたちと過ごす時間が長くなるにつれて少しずつ心境が変わってきた。翌年も同じように遅刻してきた選手がいたが、その時には「この子、疲れているんだ」と受け止め、「ちょっと早く休もうか」と声掛けをした。
「思い返せば自分も遅刻したことがあるし、その時は『まずい』としか思わなかった。そこを言われたら子どもはさらに落ち込む。だから、本当に反省しました。なんで去年は、あんなこと言っちゃったのかなって。分からなければ言ってあげればいいだけなのに」と後悔の念を抱く。
心境だけでなく、指導にも変化があった。1年目は代表選手が集まる短期間でいろいろなことを詰め込もうとして「ずっとうるさく言っていた」という。
それが2年目になると、「練習の間はずっとうるさいけど、ちょっと我慢してほしい。大会に入ったら一切、何も言わないから、楽しんでやろう」と、最初にはっきりと方針を伝えて大会に臨むことを試してみた。「怒らなかったおかげで、みんながさらにのびのび野球をできるようになった」と振り返る。チームの成績は22年大会の7位から、23年大会は前回優勝の米国に快勝するなどして4位と躍進した。
「子どもは分かっているんだな」と思えば、家での子どもたちへの接し方も変わった。…
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