J1神戸は22日、前節19日の柏戦(ノエスタ)で左膝に重傷を負ったMF斉藤未月を完全移籍で獲得し来季から複数年契約を結び復帰までサポートする意向を示した。斉藤は今季、J1湘南から期限付きで移籍し、契約は今季終了までとなっている。
この日、神戸市内で行った公開練習に千布勇気社長が訪れ、「完全移籍で獲得して全治1年ですので、来シーズンも危ないくらい。複数年の契約を結んで、安心して復帰までしっかり面倒を見られるような状態にしたい。(神戸の)三木谷(浩史)会長もそう発言している通り、クラブの総意として。神戸に住んで環境を変えずにベストなサポートをしたい」と、湘南と交渉する考えを示した。
斉藤は守備的MFとして今季リーグ戦22試合に出場。特にセカンドボールを奪取する能力に優れ、攻守に首位のチームを支えてきた。19日の柏戦ではゴール前で相手DFに挟まれる形で左足を負傷。担架に乗せられ途中交代した。診断の結果、「左膝関節脱臼、左膝複合靱帯損傷(前十字靭帯断裂、外側側副靭帯断裂、大腿二頭筋腱付着部断裂、膝窩筋(しつかきん)腱損傷、内側側副靭帯損傷、後十字靭帯損傷)、内外側半月板損傷」で全治は約1年の見込みが発表された。
神戸はクラブとしても日本サッカー協会審判委員会に「選手が安心、安全に全力でプレーできる環境整備」を要望する意見書を提出。千布社長は「ピッチ上、膝が外れているところを選手、審判を含めて目撃している中で選手生命を脅かすけがに対する基準、ルールの整備が不十分だとクラブとしては思っている。そういうけがを目撃すると、選手も怖くてプレーできないとか、守備側は逆にこれがノーファウルなら次も同じようにいっていいのかを含めて、今後のJリーグがよりよく発展するために、変えるルール、基準があるんじゃないかということで(意見書)を出している」と説明した。
クラブ関係者の衝撃は大きく、三木谷会長は自身のX(旧ツイッター)で斉藤選手に関する投稿を連発。「斉藤未月選手 この選手を守らないで、なんのためのサッカーか、なんのためのヴィッセルかと僕は思う」、「これをそのままにするほうが危険だと思う。故意か否かではなく、このような危険なプレーを防ぐためにレッドカードがあるのだと僕は思う。足裏でサンドイッチ。JFAに睨(にら)まれようと、なんと言われようとこれはうちのクラブとしては放置はできません」と、などとつづった。
吉田孝行監督は練習後に取材に応じ、「サッカーで僕もこの世界で28年やっているけど見たことのない負傷。試合後に自宅に帰ってしっかり映像を見たけど1回しか見られなかった。それくらい結果的には悪質なファウルだった。シュートを打った後のアフタープレー。故意だろうと故意じゃなかろうとPKなりレッドカードなり必要なシーンだった。1回で終わる手術じゃない。あそこまでいっている。靱帯(じんたい)が同時に2本切れたり、腱が切れたりサッカーレベルでは見たことがない。(斉藤)未月に対してサポートできることはしたい。復帰できることを願っています」と、悲痛な面持ちで語った。
FW武藤嘉紀は「絶望したし正直、はらわたが煮えくりかえる思い。本当に悔しい。言葉が見つからない」と、無念の思い。自身も膝を何度も負傷し手術したが「サッカーで起こりうる事故の範ちゅうを軽く超えてしまっている」とぼう然とした。
選手生命すら危機に陥る重傷にもレフェリーはファウルも取らず、VARもなし。「誰を責めるわけじゃないけど選手が守られていない。これで100パーセント安心して戦いができるのかというと疑問に思う。そこはクラブは意見書を出している。変わっていかないといけない」と、斉藤の事故を2度と繰り返さないよう、ルールの改善を求めた。
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