巨人浅野翔吾外野手(19)が“イチ流”思考で外野のスタメン奪取に挑む。17日、川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを公開。マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(50)と14日に、1日限りの合同練習を行ったことを明かした。高松商時代の21年12月にも指導を受けた恩人に、追い込まれたカウントでの対応などを質問。2年目はバットの情熱的な赤にカラーを変更し、「1番中堅」の座を狙う。
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浅野がレジェンドの指導から飛躍する。3日前、ほっともっとフィールド神戸。イチロー氏と共有した時間の中で、プロ1年目の経験を踏まえ、打席での思考回路を尋ねた。
「どの球を待って打ちますか?」
「追い込まれたら、どういう対応をしますか?」
昨季は24試合で打率2割5分、1本塁打、2打点、高卒1年目でポテンシャルを示した。同時に、出塁率2割6分8厘、40打数14三振と、追い込まれてからは分厚いプロの壁を痛感した。極意を吸収し「なかなかできない経験をさせてもらった」と糧にした。
高松商2年冬にイチロー氏の指導を受け、飛躍の礎となった。当時と比べ「今の自分を説明した中で、どうしたらいいのかと具体的に質問できた」とより細かく、ピンポイントで尋ねた。キャッチボールなど「常に全力」の教えもあらためて受け、決意を新たにした。
バットにも決意がにじむ。カラーは赤に変更。「気持ちを前面に出していきたい。熱い男を演じていきたいので」と情熱的な色を選んだ。長さは87センチで「アウトコースを強く右中間に打ちたい」と1センチ伸ばした。重さは20~30グラム増の約900グラム。長野から「今は難しいバットを使った方がいいよ。簡単なバットは年をとってからでも使える」と、球界を代表する打者になるためのアドバイスを受け、長く重い“相棒”に決めた。操作できる技術と強さを身に付け、結果を求めながら、成長を加速させる。
昨年10月に痛めた腰も回復傾向にある。「学びの年」と位置付けたルーキーイヤーを終え、今季は「いい意味でがめつく、強い気持ちを持ってやっていきたい」とレギュラーを奪う1年にする。「二塁打数、出塁率をこだわりたい。出塁率は4割以上を」と空位となっている中堅の座を狙う。平成以降、高卒2年目以内の規定打席到達は球団で松井、坂本だけ。レジェンドロードに乗っていく。【上田悠太】
◆巨人の外野争い レギュラー3枠とも白紙の状態。左翼は実績十分の丸、昨季は121試合に出場した秋広が争う。中堅、右翼は浅野に加え、ベテラン長野、昨季に復活した梶谷、フルスイングが魅力の岡田、台湾ウインターリーグで存在感を示した萩尾、昨季は開幕戦で1番中堅だったオコエ、ドラフト3位の佐々木俊輔(24=日立製作所)らが争う。
◆バットの色 野球規則では使用可能な色が決められている。現在はバットの素材そのものの色、ダークブラウン、赤褐色、淡黄色及び黒と規定されている。黒以外は木目が目視できること。かつてはどんな色でもOKだった。47年に巨人川上が赤バット、東急大下が青バットを使用して人気になった。ただ、バットの不正加工を隠すことを防ぐために64年に着色が禁止に。木地が分かる範囲でのダークブラウンが解禁されたのが81年、02年に赤褐色、05年に黒が認められた。赤褐色解禁後は岩村明憲(ヤクルト)諸積兼司(ロッテ)谷佳知(オリックス)陽岱鋼(巨人)らが使用。昨季は、現役では茂木栄五郎(楽天)涌井秀章(中日)らが使っていた。
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